うぐlab. -Richardo Banderas as the "KING" of the world-

Xenogearsのやり込みに必要な基礎知識

この項では,Xenogearsのやり込み(R/TA・low%等)に"最低限"必要と思われる基礎知識を列挙する。バグに関する知識も必要だが,バグに関しては別項目として扱う。当資料は基本的にForteGSOmega氏のXenogears解析資料である " Xenogears Battle Mechanics FAQ v0.8 " の和訳であるが,そこから更に独自の検証を重ねたものとなっている。(原文に著作権の宣言があるが,和訳の許可は獲得済)

素早さ(AGL)と待機時間(Ticks)の関係

Ticks = 165 - 9*AGL + [ -4 .. +4 ]

[ a .. b ] というのは " 整数 n が a ≦ n ≦ b の値をとる " という(いわゆる乱数の)ことで, [ -4 .. +4 ] の実態は [ 0 .. 32767 ] mod 9 である。mod は剰余算のことであり,y mod x というのは " y を x で割った時の余り " であるから,9 で割った時の余りは [ 0 .. y ] ∩ y ≧ 8 ⇒ [ 0 .. 8 ] となり,これは [ -4 .. +4 ] と同等である(∵余りが 5 の時 -4 余ったとも考えられる)。これは解析者であるForteGSOmega氏に倣った記述法であり,もちろん " Ticks = 161 - 9*AGL + [ 0 .. 8 ] " であっても意味は同じである。

烏氏(物置のオーナー)による解析で " Ticks = 37 - 2*AGL " というものがある。これは非常によくできた近似式 ( Forte式 * 2/9 = 36.6… - 2*AGL + [ -8/9 .. + 8/9 ] ) であり,実際にこの式だけでほとんど困らない。しかし,イド戦やクライシスパワーなしのソラリス脱出戦は"乱数のゆらぎ"まで考慮した戦略が必要となり,また,TAやlow%のような制限攻略における低確率の突破法考案に役立つため,Forte式の待機時間計算方法を頭に入れておくに越したことはない。(基本的には " 乱数期待値 = 0 " として戦術を考えればよい)

なお,AGLは20まで表示される(要チート)が,実際には16が上限である。ところで,ブースト時にTicksが小数点以下の値をとるかどうかだが,これは検証結果から"整数値以外をとらない"ことが判っている。そして,その整数値化は"小数点以下切り上げ"によるものである。この時,乱数幅が9のままなのか5になるのかが重要であるが,結論を言うと"乱数幅は5になる"。(検証はこちら)

待機時間テーブル
AGL \ 乱数 -4 -3 -2 -1 0 +1 +2 +3 +4
1 152 153 154 155 156 157 158 159 160
2 143 144 145 146 147 148 149 150 151
3 134 135 136 137 138 139 140 141 142
4 125 126 127 128 129 130 131 132 133
5 116 117 118 119 120 121 122 123 124
6 107 108 109 110 111 112 113 114 115
7 98 99 100 101 102 103 104 105 106
8 89 90 91 92 93 94 95 96 97
9 80 81 82 83 84 85 86 87 88
10 71 72 73 74 75 76 77 78 79
11 62 63 64 65 66 67 68 69 70
12 53 54 55 56 57 58 59 60 61
13 44 45 46 47 48 49 50 51 52
14 35 36 37 38 39 40 41 42 43
15 26 27 28 29 30 31 32 33 34
16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
ブースト時待機時間テーブル
AGL \ 乱数 -2 -1 0 +1 +2
1 76 77 78 79 80
2 72 73 74 75 76
3 67 68 69 70 71
4 63 64 65 66 67
5 58 59 60 61 62
6 54 55 56 57 58
7 49 50 51 52 53
8 45 46 47 48 49
9 40 41 42 43 44
10 36 37 38 39 40
11 31 32 33 34 35
12 27 28 29 30 31
13 22 23 24 25 26
14 18 19 20 21 22
15 13 14 15 16 17
16 9 10 11 12 13

見ての通り,通常時のテーブル端が奇数になる"偶数AGL"はブースト時にやや不利となってしまう何とも評価し難い計算方法である。"スロウ"時のテーブルは未検証だが,おそらく幅が18になるだけで特に問題もないだろう。待機時間候補の各数値は等しく " 1 / (母数) " の確率で選択される。(この辺りも検証に詳しい / 厳密には等しくないが,その差は無視できる)

ここまでが基本であり,残りはこまごまとしたものである。大雑把に説明すると,"このゲームは初動待機時間の計算に何か問題がある"。

キャラクター/ギアのAGLと地形効果は下表のようになっている。キャラクターAGLはスピードリング/Sによる補正が可能で,ギアAGLはチュチュのみ補正が可能である。

キャラクターAGLとギアAGL
AGL キャラクター 搭乗者orギア
3 マルー -
4 - -
5 - ユグドラシルIV世
6 - -
7 リコ・マリア・チュチュ リコ・チュチュ
8 エリィ マリア・ディルムッド
9 ビリー バルト
10 バルト フェイ
11 フェイ シタン・ビリー
12 エメラダ エリィ
13 シタン エメラダ
地形効果とAGL変化量
AGL変化量 砂漠 水中 荒地 雪原
+4 C回路+1 - - -
+3 - - - -
+2 C回路 / エアコン D回路 / 酸素ボンベ - A回路
+1 - - - -
0 - - 地形効果 / B回路 -
-1 - - -
-2 ハイシャオ - -
-3 - サルガッソー - 地形効果

要するに,"荒地には何の地形効果もない"ということである。砂漠の夜とは"ボストルーパー・ボスミミー・ランカーR"の3戦のことである。

ギア/パーツ重量とAGLの関係

ギアが重ければ重いほどギアパーツによる重量負荷の影響を受けにくい(元々重いから対荷重性がある)。ギア/パーツ重量に関する値は基本的に120のスケール(ビームコートのみ10)で設定されており," c = 120 " と定数的に扱うことで表現が容易になる。厳密には各ギアの対荷重性能値とギアパーツの重量負荷合計値が同値になった時にAGLが1低下し,以降2c増加毎にAGLが1低下する。しかし,"2c超毎にAGLが1低下する"と考える方が単純であり,その場合のギア対荷重性/ギアパーツ重量負荷は下2表のようになる。

各ギアの耐荷重性能値
(耐荷重性能値) - 2c 搭乗者orギア
0 ディルムッド・ユグドラシルIV世
c -
2c -
3c エリィ・エメラダ
4c ビリー
5c フェイ・シタン
6c バルト
7c -
8c リコ
9c -
10c マリア

ディルムッド・ユグドラシルIV世は,装備変更が不可能であるから問題ない。むしろ重要なことは,"E・アンドヴァリの装備を変更してもユグドラシルIV世に影響しない"ということである。(キャラクター装備は反映される)

各ギアパーツの重量負荷値
重量 ギアパーツ
c/12 ビームコート
c 回路・軽系・エアコン・守護法円
2c 装甲(除:軽/ヴェール系)・特殊減(除:ビームコート・金メッキ)・異常防(除:守護法円・リペアコート)・マグネットコート・FHP・封印・GNRS
3c ヴェール系・金メッキ・リペアコート・チャージクリーナー・酸素ボンベ・パワーマジック・燃料リカバーA
4c 重合金・燃料リカバーS/X
5c 燃料リカバーZ

この時,ギアパーツ装備重量によるギアAGL減少量は,次式で表される分数を帯分数化した時の整数部分(小数点以下切り捨て)となる。

{ ( ギアパーツ重量負荷合計値 ) - ( ギア対荷重性能値 ) } / 2c

パワーマジック3個(重量負荷合計値:9c)を装備したヴィエルジェ(対荷重性能値:3c)とレンマーツォ(対荷重性能値:4c)は下表のようになる。

ギア 基礎AGL AGL減少量計算式 AGL減少量 AGL
ヴィエルジェ 12 (9c-3c)/2c 3 3 9
レンマーツォ 11 (9c-4c)/2c 2.5 2 9

命中(Hit)と回避(Eva)について

本項目は,Forte氏の提唱した計算式を検証・修正したものであり,正確さは保証しない。(検証はこちら)

反応値(Response:R)について

とおくと," GH = CH + R " " GE = CE + R/2 " となる。ただし,G ⇒ C 攻撃時は反応値による命中加算が無視される。

命中/回避/防御率方程式について

とおくと,

となるから,

キャラクター命中/回避/防御率

ギア命中/回避/防御率

となる。ただし,防御/チャージ時は"H%=100|E%=0|DR%=95"で固定され,カウンター時は"H%=0|E%=100|DR%=0"で固定される。そして,この場合の"命中"には防御も含まれるため,実戦的に"クリーンヒット/防御/回避率"で考えると下表のようになる。(100回行動中の各回数と考えればよい)

実戦的な各確率
命中系 回避系
クリーンヒット率 防御率 回避率
H% - H%*DR%/100 (%) H% * DR% / 100 (%) E% (%)

BHC(基礎命中機会)について

BHCとは,S攻撃が命中しやすく,T ⇒ C と順に命中率が下がる裏打ちとなる数値であり,基本的には下表のようになっている。

BHC 攻撃方法
? 超必殺技・ハイパーモード
60 S攻撃・通常必殺技
10 T攻撃・敵の攻撃
0 C攻撃

Forte氏によると,超必殺技・ハイパーモードのBHCは90とあるが,当たりやすいのだろう程度の認識でよい。そもそも超必殺技を使用可能なLv.50以降の命中で検証に使えそうな回避をもつ敵は,ゼボイムのキャリアーぐらいしか思いつかない。ハイパーモードにしても,アンフィスバエナぐらいのものだろう。チートを使えば比較的容易に検証可能だろうが,そこまでやる気もない。

"基本的には"というのが重要であり,ビリーに関しては明らかにこれらの値から外れる。

ビリー・レンマーツォBHC
BHC ビリー攻撃方法 レンマーツォ攻撃方法
? 超必殺技 ハイパーモード
60 S攻撃・通常必殺技
50 - T攻撃
30 T/C攻撃 -
0 - C攻撃

ついでに,ビリーの攻撃とレンマーツォのT攻撃は防御不可能である。回避に関しては可能であるが,ビリーの攻撃は先天的弱点属性をもつものに対しては絶対に命中する(のではないかと考えている)。

ガード/アヴォイドリング効果について

リング効果による回避の上昇量は"20"である。そして,ガードリングで"回避判定も防御判定"となり,アヴォイドリングで"防御判定も回避判定"となるから,先述の"実戦的な各確率"で考えると下表のようになる。

リング効果適用後の実戦的な各確率
装備 命中系 回避系
クリーンヒット率 防御率 回避率
ガードリング H% - H%*DR%/100 (%) E% + H%*DR%/100 (%) 0 (%)
アヴォイドリング H% - H%*DR%/100 (%) 0 (%) E% + H%*DR%/100 (%)

リング効果をもつ敵もおり,モンスターリスト(こうg中)の回避欄にG/Aでガード/アヴォイドリング効果の有無を示している(自分の検証結果に基づくため,Forte氏の原本 " Xenogears Monster List v0.6 " に表記はないが,まとめるまでの参考資料に)。代表例を挙げておく。

命中・回避関連アクセサリー/エーテルについて

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